冷蔵庫には世界各地の美味しい食材がストックされているし、洗濯機に衣類を放り込めば数十分できれいに洗ってくれるし、スイッチ一つ押せばあっと言う間にお風呂の準備が出来る。
交通機関が発達していて気軽に好きなところに行けるし、自家用車を持っている人も多い。
便利だし豊かですよね、今の時代。
少し前の世代が生まれ育った時代には、とても考えられなかったことです。
家電製品も電車や自動車も無いなか、私たちのご先祖さまたちが頑張ってくれて、この便利で豊かな社会が実現しました。

この画像に描かれている白線は、世界の人口推移(推計)を示しています。何千年もの間横ばいだった世界人口が、18世紀後半から突如として増加し始めているのがわかります。
長い間横ばいだった世界人口が、なぜ18世紀後半に急激に増加し始めたのか?
そこには様々な要因がありますが、その中でも大切な一つが「産業革命」であることは間違いないと思います。

産業革命は私たちを肉体労働から解放した
私たちはこの星が生み出す様々な恵みを収穫して生きていますが、産業革命以前はその「収穫作業」はほぼ人力によるものでした。水車など原始的な動力は利用していましたし、動物の働きを利用することもありました。しかしそれらは全体から見ればごく一部です。
産業革命以前は、主に肉体労働によって富の収穫が行われていたのです。そして、肉体労働から得られる収穫物はなかなか増やすことができませんでした。それが世界人口が長い間増えなかった理由の一つです。
しかし、私たちのご先祖様は少しずつ富を蓄え、社会基盤を整備し、道具や機械を開発し、ついに肉体労働では考えられないレベルの動力(最初は蒸気機関)を確保しました。そして生産性が一気に上昇し始めたのです。
そのおかげで、多くの現代人は肉体労働から解放されています。

そしてそれは、収穫作業のみならず家庭での家事労働も同じです。
記事の冒頭でのべたように、私たちは家電製品に囲まれて生活していて、生活のために取られる時間がどんどん少なくなっています。
肉体労働から頭脳労働へ

私たちは学校へ行き、本を読み、暗記をし、計算することを学び、頭を使うよう教えられました。
カラダが大きくチカラが強いことよりも、知的能力の高いことの方が重視され始めたのです。
徐々にですが、肉体労働よりも頭脳労働の方が収入を得られる時代に変わり、ブルーカラー人口が減りホワイトカラー人口が増えてきました。
しかし、時代はさらに進もうとしています。

頭脳労働の次の時代へ
電子機器とインターネットが登場し、頭脳労働の一部を担い始めたのです。
まず、計算機が計算の得意な人とそうでない人のギャップを埋めました。また、インターネットと検索機能のおかげで、学校に行かなくても専門書を読めなくても、専門的知識を簡単に得られるようになりました。そして多くの知識は即入手できるのですから、何かを丸暗記する必要はもうないのです。
記憶力が良く頭の回転が速い人が有利だった時代に、変化が訪れているのです。

AIの台頭
その流れをさらに推し進めているのが、人工知能であるAIです。
検索では、やはり検索キーワードの優劣などで差がつきました。しかし、人が人と話すように質問できるAIでは、その差が小さくなります。また、こちらから質問しなくてもAIが先回りして教えてくれる機能もどんどん私たちの日常に入り込むでしょう。
知能革命が私たちを知的労働から解放する
産業革命が私たちを肉体労働から解放したように、コンピューター・インターネット・AIが私たちを知的労働(頭脳労働)から解放しようとしています。
これを私たちは知能革命(Intellectual Revolution)と呼んでいます。人間の頭脳よりもずっと優秀な知的能力を私たちは手に入れつつあるのです。
そしてこの革命は、産業革命よりもずっと大きな変化を人類にもたらすと私たちは考えています。なぜなら、AIはおそらく私たちの宇宙や生命の秘密など、これまでの人類の知性では解明できなかったことを猛スピードで解明していき、これまでのすべてのフレームワークを覆していくと考えられるからです。

意識の時代がやってくる
その時に、何が起こるのか?
今の私たちには、想像しかできませんが、「自分」というものがより重要になるのではないでしょうか?
産業革命では、人々は機械に仕事を奪われることを恐れました。しかしそれを横目に、いち早く頭脳労働に取り組んだ人々が次の時代を担うようになりました。
IT革命でも似たことが起こりましたし、今起きているAI革命でも同じことを恐れている人々がいます。しかし、この時代の流れは止めることはできませんし、むしろ歓迎すべきものです。
肉体労働からも頭脳労働からも解放されつつある私たちは、より自分を生きることができる時代に突入しようとしているのです。そしてその時に大切になってくるのが「自分の意識」なのです。
なぜなら自分とは「自分の意識」だからです。